2020年クリスマス、ある1本のインディーゲーム、RPGがSteamで配信開始された。その名は「OMORI(オモリ)」。奇妙で夢のような精神世界が映し出されたタイトルで、どちらも同じように優しく、どちらも同じように秘密を隠している2つの世界を行き来し、記憶の旅、隠された真実(たとえそれが知りたくなかったものであっても)を巡る旅をすることになるRPG。レビューにおいては圧倒的好評を得ている作品だ。
じつはこの作品、その足跡は長いもので、ゲーム開発の始動は2013年頃にさかのぼり、2014年4月にKICKSTARTERで開発のクラウドファンディングを行い、2015年5月の提供予定として無事にファンディングを成功させた作品だ。なおこの際の達成額に応じたリターンにおいては、ゲームボリュームの増加を示すようなものばかりでなく、日本語化、Nintendo 3DS版の展開、PS Vita版の展開(これは非達成だった)などもあったが、そのそもそものゲームの完成自体、クラウドファンディングを開始してから6年半、当初提供予定から5年半経ち、ようやく達成したものとなる。
ファウンダーからすると、「本当に出た」と思えてしまうほどの期間が経過した作品だが、そういった経緯とは裏腹に、ゲームをプレイしたプレイヤーのレビューは圧倒的好評で、待ったかいがあったというものが多い。ゲームは独特の戦闘システムを搭載し、RPGで3すくみの存在となる喜・怒・悲をうまく使ってターン制で敵と戦っていくものとなる。
ただこのゲーム、現時点では日本語はおろか、言語は英語のみ。また、開発者からテーマに死とうつ病を含むため成人向けテーマとされており、万人に諸手を挙げておすすめしづらいものともなっている。


しかしながら、明らかに日本の影響を受けた世界観、キャラクターに基盤としながら、独自の世界、メッセージが込められた非常に尖った作品となっているのが特徴といえる。
「2つの世界を旅し、そしていつか、どちらかの世界を選ぶ主人公。どちらの世界がよりリアルなのか。それはあなたが決めること。」
リリース後からの受けもよく、クラウドファンディングのリターンから日本語化もされると思われる(いつになるかは保証できないものの)この作品。現段階では英語のため完全にその世界観を理解できないかもしれないが、上記フレーズが気になる方はぜひ一度プレイしていただきたい。
メーカー OMOCAT, LLC, PLAYISM 開発元 OMOCAT, LLC ▼Steam 配信日 2020年12月25日 価格 1,980円(税込) ショップ